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第7回著者が語る読書会

05年5月22日(日)開催

講師 宮原安春 テキスト 『家族の原風景』

読書会報告 講師紹介 テキスト紹介


 

 

 今回のテキストである「家族の原風景」は、「家族」をテーマに各界で活躍している著名人へのインタビューをまとめたものである。もとは2001年10月から2004年5月までに『ヨミウリウィークリー』の連載「家族のかたち」から30本を選抜して加筆修正したもの。まず冒頭で宮原氏は、この連載でなぜ「家族」をテーマにしたかについて話した。

『AERA』で連載している「現代の肖像」では個人に焦点を当てているが、個人だとその人に感心がないとつまらなくなってしまう。そこで家族という枠組みを持ってきた。ちょうど連載が始まる時期に、9・11(アメリカ同時多発テロ事件)で巻き込まれた人を捜す家族の姿がTVで繰り返し流されたり、北朝鮮日本人拉致問題で拉致被害者家族会の活動が注目されており、「家族」というものが大事な要素となってくるだろうと思った。

「核家族化」、「家庭崩壊」、そんな言葉が世間をにぎわしたのはだいぶ昔の話。今は「家族」よりも個人単位で考えるのが当たり前の風潮となり、「家族」という概念自体が希薄になったような気がする。そんな今だからこそ、TVに映る家族の姿はクローズアップされ、宮原氏も「家族」をテーマに選んだのではないか。
 また、具体的に書くにあたっては、次のようなことに配慮したという。

 最初に客観的に書こうと思ったが、それでは内容が堅くなってしまう。そこで、インタビュー時の語り口調を生かそうと思った。「オレ」や「ワシ」といった一人称はもちろん、人それぞれの語尾もそのまま文章にして、インタビュー中に泣いたら「泣いた」とそのまま書く。そういうことで出来るだけ「生」の雰囲気を表現しようとした。

『家族の原風景』を読んでみると分ることだが、紙面の多くは、インタビューされている人たちの言葉で埋められている。本を読んでいて登場する人々に親近感を覚えるのは、「自分の言葉で自分の家族を語っている」からなのだろう。

 このほかに宮原氏は、本には書かれていない取材時のエピソードなどを披露した。また、宮原氏の今までの活動で経験したオフレコでしか語れない体験談なども披露してくれた。
 取材時のエピソードを聞いて感じたことは、宮原氏はインタビューを通じて対象となる人間を深く考察しているということだった。そういえば、今回の読書会の副読本である『祈り 美智子皇后』のあとがきに、宮原氏はこんな事を書いていた。

私は、人物ノンフィクションが好きである。理由は単純明快。人間が好きだからだ。

 宮原氏のノンフィクション作家としての真骨頂を垣間見たような気がする。

講師 宮原安春
テキスト

『家族の原風景』

場所

千登世橋教育文化センター



宮原安春
(みやばらやすはる)

 1942年、長野県生まれ。早稲田大学中退。60年代末に3年間ニューヨーク日本倶楽部勤務。帰国後、週刊誌記者、アンカーマン、コラムニストを経て、ノンフィクション作家。

宮原安春氏のプロフィールはこちら




家族の原風景』
宮原安春著
論創社
定価1800円(税別)

話題の30名が、家族への思いを赤裸々に告白するバラード、『ヨミウリウィークリー』に連載中の名物フィクションを集大成。

〈出版社の紹介文より〉

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『祈り 美智子皇后』

宮原安春
文春文庫
470円(税込)

民間から皇后の位にお就きになりお言葉を失われた美智子さまは、どのようにしてご恢復への途を歩まれたのか?初めて解き明かされる「人間・皇后」の魂の遍歴、封印された悲しみ。軽井沢への深い想い、ベルギー王室との交流、神谷美恵子の存在など、知られざるエピソードで織りなす、格調高きノンフィクション。

〈「BOOK」データベースより〉

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