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第5回著者が語る読書会

04年12月5日(日)開催

講師 盛田 隆二 テキスト 散る。アウト

読書会報告 講師紹介 テキスト紹介

 

 

 今回は『散る。アウト』の主要舞台となったモンゴル取材旅行のエピソードを中心にお送りしました。
 当日資料として配布されたものは、2002年7月5日の朝日新聞の切り抜き。モンゴルの障害者や孤児らを支援する市民団体<地球の笑顔と出会う会(以下、出会う会)>について報じたものです。

 「<出会う会>は私の長年の友人が中心となっている団体です。社会主義経済崩壊から十数年で、モンゴルでは孤児、ストリート・チルドレンが激増しました。医療設備も整わず、小説中に書いたように、下水道で暖を取り、生活をしているという悲惨な状況です。<出会う会>のメンバーが、日本の放置自転車を救援物資として届けるという活動をするというので、同行しました。」

 けれど、20台の自転車のうち、現地で確認ができたものはたったの1台。郵送機関が整
備されておらず、未だに確認されていません。
 モンゴル人少女との出会い、その後の手紙でのやりとり、外国人観光客による少女買春、過酷な状況の中で懸命に生きる子供たち…。『散る。アウト』の息吹が生々しく感じられました。

 「『散る。アウト』は『ストリート・チルドレン』(90年講談社刊)と対比されることが多い作品でした。これはわたしには意外なことです。」

 しかし盛田氏は、今後も作家という立場を通じて、この深刻な<ストリート・チルドレン>という問題に取り組んでいかれるではないでしょうか。

 質問コーナーでは、テーマに深く関わるものや、主人公の設定について、資料収集は大変だったのでは? などが出ました。質問者と直接やり取りをするなど、盛田氏の気さくな人柄が表れました。

 休憩時間、盛田氏から「サインをしましょうか?」という呼びかけに、長蛇の列ができました。参加者に、何より嬉しい記念となったのではないでしょうか。


講師 盛田 隆二
テキスト

『散る。アウト』(毎日新聞社)

場所

千登世橋教育文化センター



盛田 隆二
(もりたりゅうじ)

 
情報誌「ぴあ」編集者の傍ら小説を執筆し、85年、早稲田文学新人賞入選。90年『ストリート・チルドレン』が野間文芸新人賞候補作に、92年『サウダージ』は三島由紀夫賞候補作となった。現代人の〈生〉と〈性〉に切り込む長編小説の書き手として評価は高く、2000年に日仏同時刊行された「新宿の果実」(『東京小説』所収)はフランスの批評家らの絶賛を受けた。

盛田隆二氏のプロフィールはこちら


『散る。アウト』
毎日新聞社
定価1500円(税別)

 巻き上げられた黄砂は海を渡り、東京の路上で夜を明かす男に降り積もる。ささいなことから莫大な借金を負い、この世に居場所を失ってしまった。その転落の人生に出口があることを、男はまだ知らない− 

小説の面白さのすべてを叩き込んだ最新長編!
〈本書帯より転載




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