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二〇〇四年十月三日(日曜)、千登世橋教育文化センターにおいて、第五回著者が語る読書会を開催しました。
「わたしは喋り下手なもので、喋るのではない方法で詩の面白さを伝えるためには、やはり文章という方法がよいと思いました。」
正津氏は、まず本書を著した動機をこう語られました。続いて当日資料に基づいて、島崎藤村、竹内浩三、金子みすず、深尾須摩子など、各詩人の代表作を選んだものを読んでゆきます。日本で最初に描かれた恋の詩、反戦詩人の恋、有名詩人に隠された恋の苦悩、同性愛者の描く恋愛詩、…。詩に秘められた愛と、詩人の生をなぞります。「詩は決して堅苦しいものではない。それを知ってもらうには、まず触れてみて欲しい。」と、正津氏は語ります。
休憩を挟み、質問コーナーへ。「深尾須摩子を取り上げましたが、他に有名な同性愛の詩人がいれば教えてください。」「詩は決して男性のものではないと思うし、思春期に詩を書くのは女性の方が多かったように思います。反して女性詩人の少なさはなぜでしょうか。」などを寄せられました。これらに対して正津氏、は順に、「吉竹照子など、詩人での数は多くないでしょうが、興味があればぜひ研究してみてください。自分が興味を持つことから探ってゆくと、詩はより面白く感じるはずです。」「一つには就職などの生活の問題があります。もう一つには、詩、あるいは小説の不定形さからでしょう。俵万智氏を始めとして、俳句や短歌の世界でよい詩人が多く輩出されるのは、形式がはっきりとしているからでしょう。けれど本来詩に用いられる平仮名表現は、女性に向いているものではないでしょうか。」と回答されました。また、「『おやすみスプーン』(正津氏の代表作)の語り手は病床にあるのではないかと思いますが、いかがでしょう?」という質問に対しては、「それでいいんだと思います。」と笑顔で応じられました。
「解釈は読者に委ねられるもので、それこそが読者の権利です。誤解があっても、誤解する喜びというものがあります。声を上げ、自分の声で読まれたものを耳で聞き、詩を感じてください。」笑顔で語られる正津氏から、詩への真摯な思いが伝わりました。
当日は大変な豪雨となり、開演を十分遅らせていただきました。悪天候にも関わらず、ほぼ定員と、多くの方にお集まりいただきました。大変お足の悪い中、お越しいただいた皆様方、並びに正津氏には心より御礼申し上げます。
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